2001.8.31 更新



E3以降、まだ発売していないのにやけに露出度が高い、
オープニングムービーの紹介です。


今年(’01年)、私は正月休みを返上し、ほとんど人がいない会社で
せこせこと絵コンテを描いていました。
(人が少ない時でなければ、私の作業が進まないのです)
もちろん、オープニングムービーの絵コンテです。

「オープニングムービーなんてゲームに関係ない」なんて意見もあります。
また、「任天堂はムービーなんかに頼らない」というハナシもありますね。


が、ムービーがゲームと無縁だったり、
ゲームがムービーに頼っていると思われたりするのは
ゲーム内容にあわせていないムービーが多いからではないだろうか?と
疑問に思ってたりもしました。


それよりなにより、ゲームキューブの封切りに対する
大きな祝砲がほしかった。
その上で、『スマブラ』ほど適したタイトルは
ありませんでした。

なので、ゲームキューブが具体的に発表される
E3に間に合わせることを前提とし、
ムービーを作ることを決めました。
いままでニンテンドウ64までのゲーム開発ですから、
ハル研では初の試みです。

最初に社内の音楽担当と打ち合わせをしつつ
各シーンのタイミングを決め、
イメージを頭の中で固めました。

制作作業自体はCG会社に委託しました。
E3までに間に合わせる時間がほしかったので、
同時に3社(正確には4社)に委託し、
シーンごとに担当を割り振りました。
実作業は約2ヶ月ほどです。

ハル研は山梨にあり、CG会社は東京にありますから、
遠隔地での監修が必要になります。
イメージを伝えるのは、ただでさえ本当に難しいですが、
線が細くなればなるほど(つまり通信手段が薄くなるほど)
輪をかけて不利になっていきます。
なので、なるべく素早く具体的な応答を心がけたつもりです。
東京出張にも十数回はいき、イメージをひたすら伝え続けました。
メールによるやりとりも、終盤は日に100通前後にはなりました。
(CG会社が分散するとこういう時にはキビしい)


そして現場の人々に支えられ、なんとかムービーは完成しました。

・・・って書くと、とってもシンプルに見えますが。
いろいろあったんですよ。えぇ。


ムービーってお金をかければなんとなくできるような気がして
しまいがちですが、ホントは違います。

今回一番の強みは、ゲームの企画者自身が監督したこと。
どこかに一任してできたムービーとは異なり、
スマブライズムが生きているはずです。
それをお客さんが感じることができるかどうかは
わかりませんけど・・・ね。


なお、音楽はオーケストラを起用していますが
それについての話題はまたのご機会に。





▲リアルからイメージに転換していくマリオ。



▲湖畔でハープを弾くシーク。



▲リドリーに集中放火!
in宇宙アカデミー。



▲ポケモン大集合。



▲雄々しく飛ぶマシンたち。
誰が誰のマシン?



▲ボム兵の大爆発!
フィギュアに戻るキャラたち。


あ、そうそう。
ムービーに出ているキャラすべてが
スマブラに登場するわけではありませんから、
誤解のなきようおねがいします。