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杉森建のときどき更新されるれろ
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第7回「海外版に必要なローカライズ作業とは?」
その1「“くるり”から“JILL”へ」
2006.03.14
『スクリューブレイカー』の北米版である『 DRILL DOZER (ドリルドーザー)』が、無事、2月7日に発売となりました。このゲームが、アメリカのゲームファンにどのように受け止められるのか、とっても楽しみです。
 ところで、日本向けに作ったゲームを海外で発売するためには、ローカライズという作業をしなければなりません。ローカライズというのは、それぞれの国の基準に合わせてゲーム内容を調整することですが、簡単に言えば、「ゲーム中に表示されるあらゆるテキストをその国の言語に翻訳する」ということになるでしょうか。
DRILL DOZER
DRILL DOZER
 アクションゲームでも、『ブロックくずし』や『テトリス』などのように、日本語の文章がほとんど表示されないタイプのゲームならば、ローカライズの必要はほとんどありません。でも、『スクリューブレイカー』は各ステージの始めと終わりにセリフ付きのデモシーンがあるので、それらを全部翻訳しなければなりません。
 ローカライズでは、画面に表示される文章を翻訳するのは当然ですし、場合によっては、登場人物の名前さえも、その国のイメージに合うよう変えたりすることがあります。『DRILL DOZER』では、主人公のくるりが「JILL」なんてカッコイイ名前に変わったりしているんですよ。
 また、主人公の組織名“レッドリル”は「RED DOZERS」に、カンブーじいさんの名前は「GRUTCH」に、メンテくんは「GEARMO」に変わりました。
 一方、ライバル組織の“ドクローラー”は「SKULLKER」となり、ボスのバグラーは「CROOG」なんて名前になりました。そうそう、キャリー警部は最初からアメリカンな名前だったので、そのまんま「CARRIE」ですね。

その2「Shift Up はそのまんま」
2006.03.17
 字幕つきの洋画を見ていると、たまに、元の音声にあるはずのギャグが、日本語字幕では翻訳されていない、なんてことがありますよね。言葉による笑いというのは、その国の文化的背景と強く結びついていますから、単純に他の国の言葉に置き換えればよい、というわけにはいかないのでしょう。映画字幕を制作している人たちの苦労がしのばれます。
 そして、それと同じようなことは、ゲームのローカライズをするときにも起こります。つまり、造語の名前やダジャレをどう翻訳するか、です。
『スクリューブレイカー』では、ギアのシフトアップを「ドリアップ」という造語で表現しています。この言葉は、第4回のコラムで「ドリルゲージ」について書いたのと同じ理由で、ユーザーの皆さんにこのゲームを覚えてもらうための大事な部分でした。だから、北米版でも「ドリアップ」と同じようなニュアンスの言葉に翻訳するため、NOA(米国任天堂)の方にずいぶん知恵を絞っていただいたんですが、どうしても「これは!」という言葉が見つかりませんでした。結局、北米版『DRILL DOZER』では、本来の意味である「Shift Up」となりました。
 ちなみに、『スクリューブレイカー』ではギアを入手したときに、くるりが音声で「2(にー)!」や「3(さーん!)」と叫んでいますよね。そのまんまだとアメリカ人の耳には「 ひざー!(knee)」とか「たいようー!(sun)」とか言ってるように聞こえてしまう(?)ので、これらはカットしてあります。でも、ドリアップしたときの叫び声「ドリャァーッ!」というのは、わざと残してあるんです。言葉としての「ドリアップ」は英語圏では通じませんが、音声としての「ドリャァーッ!」は、元気のよさをあらわすかけ声として、きっと言葉の壁を越えてくれるはずだからです。

 ではまた、第8回のコラムでお会いしましょう。ドリャリルレロア〜〜ップ!