池上:
 声優さんのアフレコのときは、桜井さんが遅刻してきたんですよ。

桜井:
 スイマセンでした。
 最初、スターフォックスのスリッピーの声優さんを除いた3人が集まったときだったんだけど、電車が雪で遅れてしまって*、東京のスタジオに間に合わなかったという・・・

酒井:
 それが、いつ頃のことだったんですか?

池上:
 2月でしたよね。

桜井:
 しかしホントに、色々な声優さんがいたなあ。

池上:
 そうですねえ。

桜井:
 やっぱりベテランっていわれている人は、スムースにいくね。スルスルーッと。

安藤:
 ミュウツーのアフレコ、見たかったな。*

桜井:
 いやあ、すごいバイタリティだったよねえ。

池上:
 桜井さんがミュウツーのアフレコの後にね、「俺たちのバイタリティなんて、たいしたことないよね」って言ってたくらいスゴイ人たちでした。
あれはいい経験をしましたね。

桜井:
 うん。生命力があった。

酒井:
 それは、どういった方なんですか?

池上:
 市村正親さんっていう、元劇団四季の方なんですけど、もうバイタリティっていうか、オーラっていうか、人間のパワーがすごくて。

桜井:
 もう、自分の充電池とイチムラさんの充電池があったとしたら、モノからして違うっていうのがあきらかで、煌々と輝いているような感じです。

池上:
 こちらがOKを出しても、自分が納得いかないと何回もやり続けるんですよね。

桜井:
 「フハハハハ! こうじゃないな?」「フーハーハハハ! ん、こうでもないな?」といった感じで。
 で、アフレコルームから出てくるとミュウツーのできあがり。
 市村さんは
ミュウツーのままで帰っていく。
 やっぱり、そういう人たちと会うと、本当に勉強になるなあと思います。
言葉をもらわなくても、経験になる。


池上:
 桜井さんもすごいバイタリティを持っていて、どこに行っても桜井さんなんですよ。それで、どこに行っても言いたいことは言う(笑)。

桜井:
 とは言え、そういう意味でミュウツー以外のポケモンのキャラクターは難しかった。
 普通は私が直接声優さんたちに演技の指示をするのですが、ポケモンの場合、音響監督の三間雅文さん*という方に声優さんと自分の間に立っていただいたので。
 まず、自分が三間さんに指示をお願いして、三間さんがポケモンの声優さんに指示を出すんですが、そういう間接的なやりとりは難しいですね。
 ただ、ポケモンはアニメ上でのしゃべり方の決まりがあると思うし、自分はそこに踏み込むことができないから、そういう方がいるということが大切だったと思います。

池上:

 でも、声優さんのアフレコは全体的にスムースに行ったんじゃないですか?

桜井:
 スムースに行きましたねえ。
 気持ちわるいくらいスムースに行きました(笑)。
 まあ、前作でもそうだったけど。
 ところで、今回のキャラでは誰の声が好き?

池上:
 俺はファルコですね。

桜井:
 あ、俺も。

池上:
 桜井さんが遅刻してきたときのアフレコですね。

桜井:
 スミマセンでした・・・ しかし、スターフォックスチームの人たちは、上手くイメージをあわせてたねえ。
 スターフォックスチームは、64版のセリフを並べ替えて、ちょっと漫才調に仕立て上げたフィーチャーがあるんですよ。
 そこでは64版と同じセリフを言うんですけど、前作の収録から何年も経っているにもかかわらず、当時のそのままに言ってくれるんですよね。
 「あれ、どういうキャラクターだっけ」なんてことは全く無く。

池上:
 持っていったサンプルも必要ありませんでしたからね。
でも、スターフォックスチームの掛け合い*はボツにならなくてよかったなあ。

 スターフォックスチーム会話1
 team_sf1.wav(308KB)
 スターフォックスチーム会話2
 team_sf2.wav(336KB)

桜井:
 よかったねえ。

安藤:
 何種類くらいあるんですか?

桜井:
 掛け合いがフォックスとファルコでそれぞれ5〜6種類と、1Pであといくつか。

安藤:
 デバックのときに気に入ったセリフがあって、もう一度聞きたいなと思って何度も繰り返していたんですけど、全然出なくて。
あれってランダムですか?

桜井:
 ランダムです。

- 4/11 -